♯98 SILENT VOICE(18禁)第7話

♯101 1/8
 連鎖を断ち切ろうともがく塚本八雲に絡みつく悪意
 凌辱描写を含みますので、ご注意ください

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 『やっぱり、あんな男のことを』

 精液とともに流入された男の想念。矛盾に満ちたそれを混沌の中から紐解く糸口になったのは、八雲に向けられた理不尽な非難めいた疑念だったかもしれない。
 ともかく、自身の至った結論を言葉にして確かめる。
 「……最初から、知っていたんですか」
 「ん? ああ、力のこと『勝手に人の心のぞかないで欲しいな』」
 不必要な罪悪感にとらわれて、言葉に詰まる八雲を尻目に話を進める。
 「半年前にふった男のことなんて、覚えてないか」
 「えっ……」
 「ふられてもあきらめる気はさらさらなかったから、ストーカーに転向したわけ」
 その転身を当たり前のごとく口にされたので、おもわず聞き流すところだった。
 「………え」
 「『彼女が紅茶を注文したら声をかけよう』
 初めて君を見かけた喫茶店で、そう考えたらコーヒーを頼んだ。
 それから俺の賭けはことごとく逆目に出続ける。砂糖入れるか、とか、どっちでカップを持つか、なんて。
 落ち着かない様子の君は十分かそこらで席を立ったんで、店出たとこで声かけようと思ったら、座りなおしてお代わりを注文した。
 もちろん、偶然だと思ったけど、ストーキング開始に際して『そうじゃなかったらまずいから』実験して確かめたんだ」
 「だけど。どうやって、私を……」
 「誤魔化したか? って。
 心を読めるっていっても、表層意識の言葉で考えている部分だけでしょ。じゃなきゃ、昨日全部ばれてたはずだし『そうなったとしても、お楽しみが減っただけで、困りはしなかったけどね』。
 だったら、まあ口で吐くよりはやっかいだけど、嘘を吐けないわけじゃないよね」
 「もともと、私が…狙い、だったんですね」
 肯定方向に振られる首。
 「なのに……何故、姉さんを脅す手紙を……」
 「へ? 効果てき面だったでしょ。一応、最後の実験でもあったけど」
 困惑に眉をしかめる。
 「俺があんなこと考えてるのが分かったからじゃなくても、お姉さん宛の手紙を開けたりする人なわけ?」
 絶句する八雲の表情にフォーカスを合わせつつ、撤退の準備を整えている。相変わらず引き際が速い。
 「じゃあ今日はこれで帰るけど、また遊んでね。それと、このことは内緒にしといて。でないと俺も告げ口しちゃうよ……」
 際限のない泥沼に引きずり込まれぬよう、怯む心を励ます八雲に対して、何枚もあるカードの中から、嬉しそうに最強の切り札を切る。

 「お姉さんのこと、信じてなかったって」


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2007-03-23


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 自己嫌悪と絶望にとりつかれ、うなだれた八雲を、最後の最後までカメラに収めつつ、男は塚本家を辞す。

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